大広間の装飾を見て回る地元住民ら=勝興寺

大広間の装飾を見て回る地元住民ら=勝興寺

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勝興寺本坊を地元住民ら見学 8月一般公開

北日本新聞(2018年7月29日)

 国重要文化財・勝興寺(高岡市伏木古国府)で8月4日から始まる本坊の一般公開を前に28日、地元住民対象の見学会があった。地方の真宗寺院としては破格の規模を持つ本坊が江戸時代の姿に復元されており、住民らは建立時に思いをはせながら建物に見入った。

 1998年から「平成の大修理」が進む同寺では、本堂に続き、2005年から寺の住居機能を担う本坊など11棟の修理保存工事が行われている。本坊を構成する大広間、式台、台所、書院などがほぼ完成したことから、一部を公開することにした。

 この日は伏木、古府両地区の住民や浄土真宗本願寺派高岡教区の寺院関係者らを招いた。勝興寺文化財保存・活用事業団の高田克宏専務理事や地元の観光ボランティア「比奈の会」のメンバーらの案内で境内を回った。

 本坊の入り口となる式台の玄関は工事中のため、参加者は本堂からつながる渡り廊下を通って本坊に入った。1692(元禄5)年に建立され、寺に現存する最古の建物である大広間では、住職や地位の高い客人のみ座ることができたとされる「上段の間」などを見学。台所では床上に設けられた深井戸などを見て回った。大広間と書院ではさまざまな意匠を凝らした飾り金具や、天皇家の菊紋、豊臣家の桐紋をあしらった壁紙など建設当時を復元したしつらえが紹介され、参加者は感心した表情を見せた。

 同市伏木本町の四柳幸一さん(66)は「造りが素晴らしかった。初めて知ったこともあり、あらためて勝興寺は地域の宝物だと感じた」と感慨深げに話した。

 見学会は29日も行われる。本坊公開を記念し、9月24日まで高岡市美術館で「勝興寺展 高志(こし)に咲いた絢爛(けんらん)美」(市美術館、北日本新聞社主催)が開かれている。

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