加賀市深田久弥山の文化館で整備が進められていた資料文献室の開設式典が22日、同館で行われた。久弥が東京の自宅の庭に建てた書庫兼書斎の名を借りて、建物の愛称は「九山山房(きゅうさんさんぼう)」とし、深田家から寄贈された書籍や山岳関連の文献を含む資料約5千点を収蔵・公開する。
資料文献室は木造平屋建て約80平方メートルで、隣接する文化館と調和するよう、赤瓦屋根、板張りの外観とした。総事業費は約2322万円。
式典では、宮元陸市長が「貴重な資料を通して交流が生まれ、山の文化の発信拠点となることを願う」と述べ、「深田久弥と山の文化を愛する会」の紋谷友幸理事長があいさつ、林直史市議会議長、親族代表の深田卓弥さん(44)が祝辞を述べた。
開設を記念し、久弥が国内20カ所の山を紹介する文章を寄せた雑誌「山小屋」(1940年刊)の特別展示も行われた。