暗闇の中に浮かぶ舞台で3カ国の俳優が演じた「ディオニュソス」=県利賀芸術公園

暗闇の中に浮かぶ舞台で3カ国の俳優が演じた「ディオニュソス」=県利賀芸術公園

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SCOTサマー・シーズン開幕 利賀

北日本新聞(2018年8月25日)

 演劇の祭典「SCOTサマー・シーズン2018」が24日、南砺市の県利賀芸術公園を主会場に開幕し、劇団SCOT主宰の鈴木忠志さんが演出した「ディオニュソス」を上演した。インドネシア、中国、日本の実力派俳優が母国語で演じ、精神性が伝わる迫真の舞台を繰り広げた。9月2日まで。

 今回は「ディオニュソス」に加え「トロイアの女」「津軽海峡冬景色」「世界の果てからこんにちは」の4作品を発表し、歴史から現代を見つめ直す。

 「ディオニュソス」は利賀大山房で披露した。原作はギリシャの悲劇詩人、エウリピデスの「バッコスの信女」。狂信的な宗教と権力との摩擦から起きる悲劇を通じ、現代社会に潜む危機や恐怖を浮かび上がらせた。

 27日から始まる「アジア演出家フェスティバル」では、日本や中国など5カ国の若手演出家らがドイツの劇作家、ブレヒトの「処置」を連続上演する。

 公演後、来年8~9月に同公園で開催する「第9回シアター・オリンピックス」(実行委員会会長・吉田忠裕YKK取締役)の関係者やSCOTの出演者らを交えた懇親会もあり、和やかに歓談した。

 県、南砺市、県文化振興財団主催。


■TOGAサマーフェス始まる 食の魅力も発信

 南砺市利賀地域の自然や食の魅力を発信する「TOGA(トガ)サマーフェスティバル 天空と星空のシアターヴィレッジ」が24日、「SCOTサマー・シーズン2018」の開幕に合わせて利賀国際キャンプ場で始まった。

 今年初の取り組みとして、テントの一つに、都内などの学生らがデジタル加工技術で作った木製ベンチやテーブル、それらを組み立てたカウンターを設置。座る向きに工夫を加え、演劇ファン同士の交流促進や盛り上がりへの願いを込めた。

 バーやカフェ、屋台村といったコーナーも確保。屋台村にはイワナやジビエ料理、利賀そばなど地元の味覚を豊富にそろえる。イワナつかみ取りや積み木遊びの場もあり、幅広い年齢層が楽しめるようにした。

 サマー・シーズン会期中、週末の24~26日、31日~9月2日を中心に開く。地元の各種団体でつくる実行委員会(河崎真吾委員長)主催、北日本新聞社共催。

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