富山大は電磁浮遊技術を取り入れたガラス製ワインデキャンタを製作し、富山市ガラス美術館で24日、展示を始めた。デキャンタの上部に富山をモチーフにした飾りを作り、その飾りが浮く。富山大によると、磁気浮上を利用するデキャンタは世界初の取り組みという。展示は26日まで。
魅力的な製品を生み出し県のPRにつなげたいと、富山大の芸術文化学部と大学院理工学研究部が学部の垣根を越えて作製した。学生のアイデアを基に、電磁浮遊技術が使え、富山らしいガラスを生かせることを踏まえ、デキャンタに決まった。1年かけて製作し、7月に完成した。
ガラス瓶の上に載せる飾りは富山をイメージし、ブリや立山連峰、チューリップ、ライチョウ、マーガレットの5種類を用意した。
瓶の中に備えたアルミの筒に電流を流し、磁力の反発を活用。筒の上と飾りの底に電磁プレートやマグネットを備え、電気が流れると飾りが浮きゆっくりと回転する。浮いた飾りにワインを流すことで、香りが広がり、見た目は華やかになる。
内田和美芸術文化学部教授は、食にまつわるイベントなどで使いたい考えで、「富山の良さを表現できる」と話した。