金沢おでんの定義を話し合う関係者=金沢市内のおでん店

金沢おでんの定義を話し合う関係者=金沢市内のおでん店

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金沢おでん、具で定義 店主らの懇話会発信へ 車麩、赤巻、バイ貝、カニ面...

北國新聞(2018年8月31日)

金沢市の「人情しみる金沢おでんを語る懇話会」は30日、同市の「おでん三幸」で開かれ、市内のおでん店主らが、車麩(くるまぶ)やバイ貝など金沢ならではの具を使ったおでんを金沢おでんとして定義し、発信することを決めた。市内の創業50年以上の老舗で「金沢おでん老舗50年会」を立ち上げ、協力して定義の普及に取り組む。毎月22日を「金沢市民おでんの日」に設定することも決め、郷土の食文化の保全と発展につなげる。
 懇話会は、市内の創業50年以上の老舗おでん店やかまぼこ店の代表者10人がメンバーで、金沢のガイド本「乙女の金沢」プロデューサーの岩本歩弓さんがコーディネーター、作家の嵐山光三郎さんがコメンテーターとなり、金沢おでんの魅力や特徴、発信の方法について4月から意見を交わしてきた。
 これまでの懇話会では、北陸新幹線開業で注目されたことで、「金沢おでん」をうたっておでんを提供する店が増えていることから、「金沢おでんの定義があったほうがいい」との意見が上がっていた。
 そこで最終回の30日は金沢おでんの具体的な定義について話し合われた。車麩、赤巻、ふかし、バイ貝、カニ面、金沢銀杏(ぎんなん)を使ったひろず、源助大根などの加賀野菜といった金沢独特の具と、各店が大切にするだしを用いたものを「金沢おでん」とすることを決め、メンバーが確認書にサインした。
 今後は、懇話会に参加する10店舗で金沢おでん老舗50年会をつくり、定義を発信する。また、金沢おでんを年中提供する店を「金沢おでんの店」とし、季節に合わせたおでんの普及へ協力の輪を広げる。
 加えて、観光客で店が混み合い、市民が入れない現状などを受け、市民が金沢おでんを楽しむ日として金沢市民おでんの日を新たに設定する。熱いおでんを食べる際に「フーフー」と息を吹き掛けることから、毎月22日とした。9月22日から実施する。
 嵐山さんは「金沢の魅力はいろいろなところにあるけど、おでんは確実にその一つ。老舗が団結して味を守っていくのは大切なことだ」と話した。懇話会は近く、金沢おでんの定義の内容など、取りまとめた意見や今後の取り組みを山野之義市長に報告する。

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