福井県大野市稲郷の食品製造会社、上庄農産加工でサトイモの一種「八ツ頭芋(やつがしらいも)」の芋茎(ずいき)を酢漬けにした同市特産「すこ」作りがピークを迎えている。深みのある赤色のみずみずしいすこが独特の甘酸っぱい香りを漂わせている。
従業員は芋茎に汚れや傷みがないかを一束ずつ確認。水洗いや脱水、から煎(い)りを経て砂糖と酢で味付けし、1週間ほどじっくり寝かせて味を染みこませる。シャキっとした歯ごたえが特徴だ。北陸3県のスーパーなどに届ける。
ことしは雨不足で、茎は短め。9月中旬までの製造量は計約3300キロと昨シーズンより少ない見込みだが、質は上々という。上田瑠衣取締役(33)は「気象条件が悪い中、生産のプロが丁寧に育ててくれた。生産者のことを思いながら昔ながらの味を味わって」と話していた。
そのまま食べるのも良し、細かく刻んでちらしずしに混ぜ込んだり、薬味のように使ったりと食べ方はさまざま。