二百十日の風封じと五穀豊穣(ほうじょう)を願って三日三晩、唄と踊りを繰り広げる伝統行事「おわら風の盆」が1日、富山市八尾地域中心部で始まった。前日から激しく降った雨は夕方までに上がり、通りでは演じ手たちが哀調を帯びた胡弓(こきゅう)や三味線の演奏、優美な踊りを披露。同行事運営委員会によると、昨年並みの約8万人が全国から訪れ、秋らしい夜風が吹く坂の町を巡った。3日まで。
午後3時ごろ、おわらを受け継ぐ11町の町流しが始まった。地方(じかた)衆の唄や演奏に合わせ、法被姿の男性は直線的で力強く、浴衣姿の女性は柔らかな所作をそれぞれ見せ、観光客を魅了した。
越中八尾観光会館の「おわらステージ」で3町、八尾小学校グラウンドの「おわら演舞場」で4町が演技を披露した。
週末開催のため、運営委は昨年を上回る人出を見込んでいたが、雨や列車の乱れなどが影響したとみている。
2日は午後3時から各町で町流し、同5時から「おわらステージ」、同7時から「おわら演舞場」が予定されている。町流しは雨天の場合、中止となる。