高社山(右奥)を望む畑に広がるソバの花を眺める小林さん

高社山(右奥)を望む畑に広がるソバの花を眺める小林さん

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「そばの須賀川」伝え続ける 山ノ内「まつり」15年目へ

信濃毎日新聞(2018年9月6日)

 山ノ内町夜間瀬の須賀川地区の住民や出身者でつくる実行委員会は8、9日、「法印さんとそばの花まつり」を八丁原と呼ばれる地区内のソバ畑を会場に開く。伝統食「須賀川そば」のPRや山間地活性化のために開いてきたまつりは、今年で15回目。実行委は、地域の風景や文化をさらに広く知ってもらおうと、気持ちを新たに準備している。

 「この風景をみんなに見てほしいんだよ」。4日午前、ソバ畑周辺で草刈りなどをしていた実行委員長の小林正人さん(76)=山ノ内町夜間瀬=は、畑を見下ろしながら話した。目の前にはソバの白い小さな花が7〜8ヘクタールにわたり広がり、その奥には高社山や妙高山を望むことができた。今の季節は、斑尾高原の方向に沈むきれいな夕日も見ることができる。

 実行委などによると、地区では、江戸時代初期のころには既にソバの栽培が盛んで、ヤマゴボウと呼ばれる「オヤマボクチ」の葉をつなぎに使う「須賀川そば」が親しまれてきた。地区には、そばが好きで強い法力を持った「法印さん」が訪れて、あちこちの民家でそばを食べたという民話が伝わる。江戸時代に法印さんを祭って建立されたというほこらもある。

 その法印さんにあやかり、「法印さん」の名前を付けたまつりも15年目。「最近では県外からもお客さんが来る」と小林さん。町内では近年、地獄谷野猿公苑の温泉に入る猿「スノーモンキー」が海外からの観光客らに人気に。小林さんは「町には他にも見どころがあるぞ、ともっと伝えたい」と言う。町の観光振興に貢献し、地域の文化を次世代に残そうとしている。

 草刈りや準備のほとんどを住民らがボランティアで担うまつりは、地区内や地区出身者との交流にも一役買う。運営には80人ほどが関わる。会場でのそば打ちは、地区内に10店ほどあるそば店の従業員が担い、ソバ畑の土地は近くの牧場から借りている。

 現在は中野市に住む布施谷昌之さん(77)も、地区の出身者として、ポスターの掲示依頼で市や町を回るなどPRに尽力している。4日も準備に参加。「地道に続けてきたまつり。今後もやるしかないね」と小林さんと笑い合っていた。

 両日とも午前9時半〜午後3時。須賀川そばは700円、独特のそばがき「はやそば」を200円、そば生地を使った「法印焼き」を150円で提供する。会場には駐車場がある。10月27、28日には地区の北部公民館で「新そばまつり」も開く。問い合わせは実行委(電話090・8683・1627)へ。

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