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「サントリー天然水」大町でも生産へ 多目的施設も

信濃毎日新聞(2018年9月8日)

 サントリー食品インターナショナル(東京)は7日、大町市常盤に、地下水をくみ上げ、ペットボトルに詰めたミネラルウオーターを生産する拠点を設けると発表した。同社のブランド「サントリー天然水」として売り出す。工場機能だけでなく、屋外で自然体験ができる施設とするため、一帯の林など41ヘクタールを取得する。総事業費は百数十億円。2019年春の着工、20年末の完成、稼働を予定している。

 同社は現在、南アルプス白州工場(山梨県北杜市)、奥大山ブナの森工場(鳥取県江府町)、九州熊本工場(熊本県嘉島町)の3工場で「サントリー天然水」を生産する。大町市の生産拠点の年間生産能力は、550ミリリットル入り24本換算で1千万ケースを予定しており、白州(年間6千万ケース)、奥大山(同2500万ケース)に次ぎ、熊本と同程度。出荷地域は、県内を中心とする東日本となる予定。

 同社の小郷三朗社長は7日、大町市で記者会見し、「大町の水は万人に愛される水で、『サントリー天然水』にふさわしい。単なる生産拠点でなく、水や自然の恵みの素晴らしさを体感できるこれまでにない施設にしたい」とあいさつした。安定供給などのため、国内60カ所超の候補地から水源地を探し、良質な水質や取水量、安全性などを考慮をして大町市を選んだという。従業員は100人程度で、20人程度を地元から雇用したいとしている。

 生産拠点の敷地内を流れる乳(ち)川の水辺で遊べるよう整備するほか、くみ上げた地下水に触れられる場所も設ける。地元食材を使った料理を提供する食堂や多目的施設も設置し、見学者を受け入れる。

 会見に同席した牛越徹市長は「雄大な北アルプスに抱かれた信州大町市のイメージは、マーケティングに大きな役割を果たせると確信している」、阿部守一知事は「長野県のブランド力の向上にも資する。協力していきたい」とそれぞれ述べた。

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