ブドウ主産地の須坂市で、露地栽培の巨峰が出荷の最盛期を迎えている。気温が下がり秋めいた気候になった12日も、農家の畑では濃い紫に色づいた旬の味覚がたわわに実り、収穫を待っていた。
ながの農協須高ブロック(須坂市、上高井郡小布施町、高山村)は県内有数のブドウ産地で、同農協広域専門指導員(須高駐在)の塩崎博央さん(44)によると、7、8月の好天で例年より1週間ほど生育が早いという。
巨峰は8月下旬に出荷が始まり9月いっぱいが最盛期。9日には主力品種シャインマスカットの収穫も始まった。今シーズンは須高ブロックのブドウ全品種で、関東の市場を中心に約3250トンの出荷を見込んでいる。
果樹農家の竹前正利さん(42)=須坂市日滝=は計90アールの畑で巨峰など3品種を栽培。9月に入って週5、6日は収穫と出荷の作業に追われる。ここ数日の降雨で収穫前に実が割れないか空模様を気にしつつ、12日も「今年は糖度が高くしっかり甘みがあるブドウができた。おいしいと感動してもらえたらうれしい」とパックに詰めていた。