ジュゼッペ・サッバティーニさん(右)とマルコ・ボエーミさん

ジュゼッペ・サッバティーニさん(右)とマルコ・ボエーミさん

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復活の美声、心に響け 巨匠サッバティーニさんリサイタル

福井新聞(2018年9月14日)

 テノール歌手として一世を風靡(ふうび)し、人気絶頂期に指揮者へと転身したイタリアオペラ界の巨匠、ジュゼッペ・サッバティーニさんが、歌手として復活するリサイタル「心に響く歌曲を集めて」(福井新聞社後援)が25日、福井市の県立音楽堂で開かれる。60歳を機に「自分がすべてに責任を持ち表現できることは歌うこと」と、再び歌手活動を始めた。繊細で叙情に満ちた美声が11年ぶりによみがえる。

 幼いころから聖歌隊で歌っていたサッバティーニさんは、ローマの音楽院を卒業後、ヴェローナ・アレーナ歌劇場のコントラバス第一奏者として活躍する傍ら声楽の勉強を始める。1987年、30歳で声楽家に転身、テノール歌手として20年のキャリアで千以上のオペラ公演で主役を務めるなど、世界中の歌劇場に立った。

 50歳のときに音楽院時代から夢見ていた指揮者としての活動を開始、ヨーロッパ、日本などのオーケストラと共演してきた。今年1月にベルリンで"再出発第1弾"の公演を成功させた。

 オペラをはじめ古典歌曲、ナポリ民謡などレパートリーは幅広く、日本ではサントリーホールのオペラアカデミーなどで長年後進の指導も。サッバティーニさんは「歌うこと、楽器を演奏すること、指揮することは同じ」と表現し「自分のすべてをさらけ出し、自分の心で歌って感動を生み出す」ことを教えてきた。

 福井公演は日本ツアーの皮切りで、10月まで4都市を巡る。30年来の友人で、歌手時代数々の舞台で組んできた、ピアニストで指揮者のマルコ・ボエーミさん(イタリア)がピアノ伴奏を務める。当日は2部構成。リスト「ペトラルカの3つのソネット」、ファリャ「7つのスペイン民謡」、プッチーニ「太陽と愛」、レオンカヴァッロ「君はどう?」や日本歌曲などで美声を響かせる。オペラ演出家の田口道子さんがナビゲーターを務める。

 午後7時開演。チケットはS席5千円、A席4千円(大学生まで半額)。問い合わせはハーモニーホールチケットセンター=電話0776(38)8282。

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