伊那市高遠町に伝わる「高遠焼」の展示会が22〜24日、同市西町の旧井沢家住宅で開かれる。同住宅を管理する住民有志らの「伊那部宿を考える会」が主催。高遠焼の創作を続けている陶芸家の浦野真吾さん(39)が手掛けた茶わんや皿など約400点を紹介する。
高遠焼は赤土を使い、白と緑など2種類のうわぐすりを重ねる「二重掛け」が特徴。桜の名所の高遠町をイメージしたピンクの湯飲みやちょこなど日用品を中心に展示する。
高遠焼は、江戸後期の1812年、高遠城に水を引く土管を作るため、美濃(岐阜県)から陶芸家を呼んで作陶が始まったとされる。昭和初期に衰退したが、浦野さんの祖父の故・唐木米之助さんが1975(昭和50)年、地元に「白山登窯(はくさんのぼりがま)」を構えて受け継いだ。高校時代から祖父の隣で学んだ浦野さんは「一つ一つ表情の違う高遠焼を手に取って楽しんでほしい」としている。
午前9時〜午後5時(24日は4時まで)。入館料一般200円、小中高校生無料。24日午後1時には、市内の茶道家がたてたお茶を浦野さんの作品で味わう茶会も開く。