南砺市井波地域中心部を丸ごと美術館に見立て、アート作品を展示する「まちなみアートinいなみ2018」が22日に開幕し、木彫刻や絵画など多彩な約300点が「芸術の秋」の風情を引き立てている。30日まで。北日本新聞社共催。
井波別院瑞泉寺周辺の商店や工房、民家など約90カ所を展示会場とした。5月に文化庁の日本遺産に認定された「木彫刻美術館・井波」のコンセプトとも重なり合う催しで、地域の魅力を一層強く発信している。
瑞泉寺周辺の寺院では、ついたてに組み込まれたキルト作品などが、生け花と競演し、斬新なアート空間をつくり出した。多くの人が訪れ、寺院の空間とマッチした作品の風情を満喫。南砺市福野の森田千鶴子さん(72)は「どの作品も素晴らしい」と話していた。
八日町通り沿いでは、格子戸に俳句の短冊を飾り付けたり、玄関先に生け花を展示したりして、町並みを彩った。外壁のボードにニシキゴイのペーパークラフトを飾り付ける店舗もあった。
会場の一つ、同市山見(井波)のショッピングセンターアスモで、1月から6月まで北日本新聞「ぶんぶんジュニア面」で連載した「読もうとやまの民話」の挿絵原画展が開かれている。
23、24日は瑞泉寺で、伝統行事「太子伝会(たいしでんえ)」でおなじみの聖徳太子絵伝の絵解き説教を披露。勅使御(お)待ち受けの間も特別公開する。最終日の30日夜は、地元の木遣り踊りや、富山市八尾地域のおわら踊りの町流しを繰り広げる。