初代~第6代雲龍丸など歴代実習船の歴史を振り返る写真展=福井県小浜市の福井県立若狭歴史博物館

初代~第6代雲龍丸など歴代実習船の歴史を振り返る写真展=福井県小浜市の福井県立若狭歴史博物館

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旧小浜水産高実習船、雲龍丸の勇姿を回顧 福井・小浜で写真展

福井新聞(2018年9月28日)

 小浜湾に別れを告げた旧小浜水産高校(福井県小浜市)の実習船「雲龍丸」の歴史を振り返る写真展が、小浜市の福井県立若狭歴史博物館エントランスホールで開かれている。木造帆船から鋼鉄製ディーゼル船になった歴代実習船の"勇姿"のほか、遠洋航海での漁の様子、雲龍丸以前の実習船などの写真約40点を展示している。観覧無料。

 1995年から小浜水産高の閉校前年の2014年まで使われた第6代雲龍丸は、県が民間企業に売却し9月6日、小浜漁港を離れてロシアへと旅立った。写真展は、同校(現若狭高)の記念誌のデータなどを活用し、「ありがとう雲龍丸」と銘打って企画した。

 小浜水産学校(当時)の創立25周年を記念し1919年に建造された初代(19・5トン)をはじめ2代(21・45トン)、3代(38トン)は木造帆船で、補助機関として蒸気機関が用いられていた。それぞれの進水式の写真からは、マストに万国旗が掲げられ大々的に行われたセレモニーの様子や、小浜湾近くの当時の町並みがよく分かる。

 1970年に完成した4代(215トン)以降はディーゼル船となり大型化。以降、1981年完成の5代(499・98トン)や1995年完成の6代(499トン)と合わせ、それまでの沿岸漁業から太平洋を漁場とした遠洋漁業へと実習内容が大きく変化した。作業服姿の生徒たちやマグロの血抜きなどを行う船上作業の様子、安全運航祈願の式典の写真も並ぶ。

 また、永平丸、安寧丸、飛龍丸、蛟龍丸など初代雲龍丸より前に造られた実習船の写真も紹介。会場には第2代雲龍丸の模型も展示している。同博物館の担当者は「6代目の雲龍丸は小浜湾を去ってしまったが、若狭の漁業振興のシンボルだった実習船の歩みを、ぜひ知ってもらいたい」と話している。

 展示は11月30日まで。

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