若松課長(中央)の解説を聞きながら、松園の「三美人之図」(右)に見入る来場者=県水墨美術館

若松課長(中央)の解説を聞きながら、松園の「三美人之図」(右)に見入る来場者=県水墨美術館

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学芸員が名作を解説 花鳥風月展

北日本新聞(2018年9月30日)

 県水墨美術館で開催中の企画展「花鳥風月 こころに響く美の世界」で29日、担当学芸員による初のギャラリートークが行われた。日本画や書、陶芸の名作にまつわるエピソードを聞けるとあって、大勢の美術ファンが詰め掛けた。話題は作品鑑賞のポイントにも及び、来場者は解説後も心行くまで名品の数々を堪能した。

 企画展は光(ひかる)ミュージアム(岐阜県高山市)が所蔵する優れた美術品から、俵屋宗達や葛飾北斎、横山大観、北大路魯山人らの47点をえりすぐった。傑作から受ける感動を大切にしてほしいと、作品に添える説明文は極力少なくしている。一方で、鑑賞の手引きとなる解説を聞きたいとの要望もあり、会期中2回、学芸員のギャラリートークを設けた。

 この日は開始の時間に合わせて120人が来場。若松基(もとい)学芸課長が1時間かけて会場を案内し、作り手の思いやそれぞれの技法を紹介した。

 作品の見方にも触れ、上村松園(うえむらしょうえん)の「三美人之図」の前では「一見2人のようだが、奥に3人目が隠れている。桜の花びらもわずかに描かれ風情を感じさせる」と説明。菱田春草(しゅんそう)の「瀑布(流動)」については「滝を横切る小さな鳥に気付くと、この絵が永遠と一瞬を表していることが分かり、より面白くなる」と語り、「自分で魅力を発見した喜びはずっと残る。じっくり鑑賞してほしい」と呼び掛けた。

 来場者は解説後も思い思いに見て回った。入善町入膳の大学2年生、金山謡さん(19)は「作品と向き合う大切さに気付かされた。感動は一生ものだと思う」と話した。夫と訪れた氷見市阿尾の主婦、澤井葉子さん(69)は「忙しいと忘れがちになる花鳥風月をめでる心を思い起こさせてくれた」と述べた。

 企画展は11月4日まで。学芸員のギャラリートークは同3日も行う。県水墨美術館と北日本新聞社でつくる実行委員会、県主催。

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