どんちょうや宣伝ポスターが展示された旧月潟劇場。昭和のレトロ感が漂う=新潟市南区

どんちょうや宣伝ポスターが展示された旧月潟劇場。昭和のレトロ感が漂う=新潟市南区

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昭和へタイムスリップ 映画館の往時再び 新潟市南区

新潟日報(2018年10月1日)

 新潟市南区月潟地区で、映画館だった「月潟劇場」の建物内部が、昭和の面影を伝えるセットに変身し、10月8日まで公開されている。同館で使われていたどんちょうや宣伝ポスターなどが展示、ライトアップされている。来場者からは、昭和にタイムスリップしたような体験ができると好評だ。

 地元の住民や芸術家でつくる月潟アートプロジェクト実行委員会が、水と土の芸術祭の一環で開いた。

 実行委によると、木造2階建ての映画館は昭和30年代に人気のピークを迎えたが、テレビの普及に伴って衰退、閉館した。その後は住民の物置代わりになっていたという。

 内部の設備や備品はほこりをかぶっていたものの、手つかずで残っていた。それらを分類して配置し、一つの展示作品に仕立てた。

 協賛社として地元の料亭の名が刻まれたどんちょうを掲げ、故・石原裕次郎さんら名優のポスターと写真を壁に貼った。

 映画のフィルムや2、3人で腰掛けたという観客用ベンチも置き、昭和の雰囲気を演出。閉館後に持ち込まれた自転車や資材もあえて展示に加え、移り変わりを表現した。内部は暗く、各展示品に順番に照明が当たる仕掛けになっている。

 水と土の芸術祭の作品をゼミで研究している立教大学観光学部男子学生(20)は「実際に昔の映画館にいるかのような追体験ができた」と満足していた。

 構成を考えた東京都町田市在住の美術作家・鈴木泰人さん(38)は「月潟劇場のかつての熱気と、その後どういう流れで今に至るのかをアートとして見せたい」と話す。地元住民からも「こんな場所があるとは知らなかった」と好評だという。

 公開は土日祝日のみで、午後3時~8時。無料。

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