福井県勝山市沢町1丁目の老舗酒蔵、一本義久保本店で10月5日、新酒の仕込みが始まった。奥越産酒米「五百万石」や麹(こうじ)、白山の伏流水をタンクに投入。蔵人たちが櫂(かい)棒をゆっくり上下させ、タンク内をかき混ぜる作業に取り組んだ。
大型タンクが並ぶ仕込み蔵で8人の蔵人が酒造りに当たる。温度管理に気を使いながら1日1回、タンク内を混ぜて発酵させ、初搾りは25日を予定している。大井信積(のぶずみ)醸造課長は「夏の気温は高かったが酒米の質は遜色ないと思う。コメの良さを引き出し、安定した味を出したい」と意気込んでいる。
同社では来年6月まで1・8リットル瓶換算で約50万本分を仕込む。