旧高遠藩ゆかりの武具を展示する特別展「高遠に残る武具」が12日、伊那市の高遠町歴史博物館で始まった。自宅などに保管された武具を初めて募集。同館所蔵の武具に加え、市内を中心に松本市や諏訪市からも寄せられた火縄銃ややり、なぎなたなど計約150点を展示している。
高遠藩が管理していたことを示す「たノ六拾五番」と書かれた火縄銃を展示。なぎなたのさや袋、銃に定量の火薬を入れるため、ばねの力を利用した火薬入れ、梵字(ぼんじ)が刻まれた珍しい甲冑(かっちゅう)なども並ぶ。同藩最後の藩主内藤頼直(よりなお)が1872(明治5)年に与え、伊那市美篶の住民宅に残されていた家紋入りの旗もある。
同館学芸員の福沢浩之さん(32)によると、寄せられた武具は「家宝」として扱われ、保存状態の良い物が多いという。福沢さんは「歴史的な価値ある物も手入れをしないとすぐに劣化する。郷土の史料を大切に残す機運を高めたい」と話している。
12月9日まで。午前9時〜午後5時。月曜休館。入館料は高校生以上400円、小中学生200円。