福井県越前市出身の杉本一文さんが表装画を手掛けた横溝正史の文庫本の展示=10月18日、同市中央図書館

福井県越前市出身の杉本一文さんが表装画を手掛けた横溝正史の文庫本の展示=10月18日、同市中央図書館

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横溝正史の表紙絵ずらり 越前市中央図書館で115冊

福井新聞(2018年10月18日)

 「犬神家の一族」「八つ墓村」などで知られる作家横溝正史の文庫本の表紙絵を一手に手掛けた、福井県越前市出身のイラストレーター杉本一文さん(71)=東京=の特別展示が10月31日まで、越前市中央図書館で開かれている。杉本さんが担当した角川文庫の全作115冊がずらりと並び、横溝人気を支える妖艶な世界観が楽しめる。

 杉本さんは書家の故杉本長雲さんの三男。東京のデザイン事務所勤務時のイラストが角川春樹氏の目に留まり、23歳で「八つ墓村」の表紙絵担当に抜てきされた。以降、横溝作品の表紙を描き続け、その一度見たら忘れられないイラストは映画のポスターなどにも転用され、1970年代の横溝ブームの原動力となった。現在も杉本さんの表紙絵を集めるコレクターは全国にいる。

 今回は、市内の杉本ファンが所蔵していた文庫本を展示。再版で変更になった表紙絵もすべてそろえた展示は、県内初という。杉本さんが50歳から始め、国内外で高評価を得ている銅版画の作品集も展示。会場には「今後も装画・版画への創作意欲を持ち続けたい」という杉本さんのメッセージも寄せられた。

 緻密でおどろおどろしさとエロチシズムが同居した杉本さんのイラスト。同図書館の担当者は「横溝作品の雰囲気とマッチし、相乗効果を生んだ表紙絵の魅力や変遷を感じてもらいたい」と話している。

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