「荒島風穴」で貯蔵した日本酒を蔵出しする関係者=10月23日、福井県大野市の荒島岳

「荒島風穴」で貯蔵した日本酒を蔵出しする関係者=10月23日、福井県大野市の荒島岳

福井県 勝山・大野

荒島岳の風穴で熟成、酒を蔵出し 11月から300本販売

福井新聞(2018年10月24日)

 福井県大野市の荒島岳(1523メートル)の中腹にある「荒島風穴」建屋で2016年春から貯蔵、熟成していた地酒4種と赤ワイン計約300本が10月23日、蔵出しされた。来月から、共通ブランド「荒島風穴」として市内の土産店で販売される。

 風穴は標高約600メートルにあり、石積みのすき間から年間を通じて冷気が吹き抜ける。温度は真夏でも15度前後とほぼ一定で、低温を保つ自然環境を生かし同市の一般財団法人「越前おおの農林樂舎」が2012年から地元産物を使った商品開発に取り組んでいる。

 酒の貯蔵は試験期間を経て14年から本格的にスタートした。15年秋には初めて共通ブランドの日本酒とワイン約240本を販売。まろやかな口当たりと芳醇な香りが人気を呼び、販売後すぐに完売したという。

 今回は期間を1年半延長し、市内四つの酒蔵の純米酒、本醸造酒252本と、白山やまぶどうワイン(落合)の赤ワイン36本を熟成させた。

 この日、農林樂舎の職員と蔵人の4人がケースに入った酒を次々と搬出。源平酒造の製造統括責任者、真野喜代彦さん(50)は「自然が息をしている環境で熟成させると、角が取れてなめらかな口当たりになる。ぜひ味わって」と話した。

 いずれも720ミリリットルで、日本酒は1200~1500円程度で販売する予定。ワインの価格は未定。市内の土産店「平成大野屋結楽座」などで取り扱う。

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