黒部市内に国の特別天然記念物のトキ1羽が飛来し、22、23の両日、市職員が撮影した。市内で目撃されたのは、2009年5月から14年5月にかけて確認され、「トキメキ」の愛称で親しまれた雌のトキ以来。
市によると、今月18日夕と22日朝に市民から目撃情報が寄せられた。22日、職員が水田の水たまりで餌をついばむトキを写真に収めた。23日朝には別の職員が田んぼに飛来するトキを撮影した。
市が環境省佐渡自然保護官事務所(新潟県佐渡市)に写真を送って確認したところ、目撃されたトキは16年9月に佐渡で放たれた雌で、今年8月下旬に富山市で確認された個体と同じであることが分かった。
23日にトキを目撃した黒部市の主婦(71)は「富山市でも見ていたので、いつか黒部に来るのではと期待していた」と喜んでいた。市は「トキは臆病で、人が集まるとストレスを感じるので、静かに見守ってほしい」と呼び掛けている。
トキメキは16年9月に石川県輪島市で目撃された後は確認されておらず、死んだとみられている。