砺波市出身の日本画家で、8月に91歳で亡くなった下保昭さんを追悼する作品展が23日、県水墨美術館で始まった。収蔵品から、山水風景を題材にした水墨画25点をえりすぐって紹介。墨のにじみや陰影を生かし、自然のエネルギーや東洋的な無常観を表現した下保さんの画業を伝えている。
下保さんは戦後京都に移り、日展を舞台に活躍。日本芸術大賞や芸術選奨文部大臣賞などを受賞し、日展脱会後は水墨画を手掛けた。県に100点が寄贈されたことを契機に水墨美術館が開館した。
追悼展は常設展示室「近代水墨画の系譜」「下保昭作品室」の2室で開催。重厚感のある山と湖面の優しい光が荘厳な魅力を放つ「湖上霊峰」や、中国の自然景観を表した「★江雨晴(りこううせい)」などが並ぶ。琵琶湖周辺をモチーフにした「近江八景」シリーズの下絵全8点も飾っている。
来年2~3月まで開き、1月下旬に展示替えする。観覧料は一般200円。企画展「花鳥風月 こころに響く美の世界」の観覧券で鑑賞できる。
★は、さんずいのつくりが「離」