観光客を乗せ、棚田などがある地域を巡る電気三輪車=長岡市山古志竹沢

観光客を乗せ、棚田などがある地域を巡る電気三輪車=長岡市山古志竹沢

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電気三輪車、山古志名物に 中山間地走行実験

新潟日報(2018年10月31日)

 中山間地での電気三輪車の実用化に向けた走行実験が、長岡市山古志地域で行われている。地元のNPO法人などが三輪車を開発する企業から委託を受け、起伏の大きい山道でどの程度性能が発揮できるか、データを収集している。多くの観光客が訪れた23日には、客を乗せて地域を巡るイベントも開いた。関係者は「将来は観光の目玉にできるのではないか」と期待を寄せる。

 三輪車は富山市の自動車部品メーカー「アールアンドスポーツディベロップメント」が開発し、山古志のNPO法人「中越防災フロンティア」など3団体が実験の委託を受けた。

 3人乗りでゴルフカートぐらいの大きさ。普通自動車免許で運転できる。乗用車のようなドアがなく開放的なことから、観光での利用が期待されるが、生産コストなどに課題を残す。

 実験は、大量生産に向けて起伏の大きい山道でテストしたい企業側と、観光誘客や住民の移動手段を模索する山古志側の思惑が一致した。時速30~40キロでの走行実験を、7月から週2回のペースで行っている。

 観光客向けのイベントは山古志竹沢の「やまこし復興交流館おらたる」の開館5周年に合わせて実施した。おらたるを発着点に、山古志虫亀の景勝地「薬師の陵(おか)」などを巡るコースと、東竹沢の水没家屋を見学するコースのそれぞれ15キロで行われた。

 住民ガイドが三輪車に観光客を乗せて運転した。試乗した東京都小平市の男性(75)は「バイクにまたがっているみたい。景色も一望できるし、また乗ってみたい」と満足顔だった。

 実験は11月末まで。結果を企業側と共有し、観光での活用を模索する。受託団体の一つで長岡市の公益財団法人「山の暮らし再生機構」の野中大輔さん(24)は「先端技術を生かし、山古志の魅力が伝わるような取り組みにしたい」と語った。

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