江戸期の甕や壺などが並ぶ記念展=11月2日、福井県越前町小曽原の越前古窯博物館「旧水野家住宅」

江戸期の甕や壺などが並ぶ記念展=11月2日、福井県越前町小曽原の越前古窯博物館「旧水野家住宅」

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越前焼資料3万点一挙 水野コレクションの変遷迫る

福井新聞(2018年11月4日)

 福井県越前町の越前陶芸村に昨秋オープンした越前古窯博物館の開館1周年を記念したイベントが11月3日から、同館などで開かれている。館内に収蔵されている3万点超に及ぶ陶磁器資料群「水野コレクション」が初めて一堂に公開され、全容が紹介される。越前焼が日本六古窯に数えられ日本遺産にも選ばれる原動力となった資料だけに、陶磁器ファンの注目を集めそうだ。25日まで。

 同館は越前焼の歴史や魅力を茶の文化と融合して研究、発信する施設として県が整備し、昨年10月28日に開館した。展示や研究の中核となる水野コレクションは、昭和期の越前焼研究の第一人者、故水野九右衛門氏(1921~89年)が収集した古代~近世の大甕(がめ)、壺(つぼ)などの陶器や陶片が中心。越前の焼き物生産の変遷を物語る重要な資料として、国の登録有形文化財にも指定されている。

 今回のイベントは越前焼の魅力をさらに広く知ってもらおうと県が企画。敷地内の施設の一つとして水野氏の自宅古民家を同町熊谷から移築、再生させた「旧水野家住宅」をメインの展示スペースとした。丹生山地の伝統的な木造家屋の趣ある和室に、素朴な風合いの江戸期の壺や甕などが並べられた光景は見応え十分。その他、常設展示スペースなども含め館内全体で3万点以上の陶磁器資料を見学できる。

 越前焼の歴史を語る上で欠かせない窯跡群や伝統技法ねじたて成形についても、写真パネルなどで紹介している。

 期間中の毎週土日に午前10時からと午後2時からの2回、普段入ることのできない資料館のバックヤード見学ツアーも実施。水野氏が収集し、窯跡別に分類された約600箱分の陶片が収蔵されている空間を学芸員が案内し、一部の陶片に触れることもできる。予約不要。

 このほか越前和紙の工作体験などワークショップが18日に開かれ、24日には雅楽や寄席など家族で伝統芸能に触れられる催しも企画している。

 県によると、開館後は福井ゆかりの岡倉天心を顕彰する茶会などイベント効果もあり、10月末現在で2万人を超える来館があった。担当者は「これからさらに魅力を発信し、多くの人に来てもらいたい」と話している。

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