日本と韓国の海女(あま)が集う「海女サミット」は4日、輪島市杉平町の奥能登広域圏事務組合消防本部で開かれ、素潜り漁を受け継ぐ8府県9地区と韓国2地区の海女や関係者が、自然と共生する喜びや技能・文化の継承などについて意見を交わした。輪島開催は5年ぶり2回目となり、各地区の海女代表が海女漁の国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産登録に向けて連携する「大会アピール」を宣言した。
サミットは今年で9回目となり、3月に「輪島の海女漁の技術」が国の重要無形民俗文化財に指定されたことを記念して輪島が開催地に選ばれた。
アピールでは、海女漁を貴重な資源と位置付け、海女文化の発信で地域活性化を図ることも確認した。
環境政策を研究し、海女漁を含む「能登の里山里海」の再評価に取り組んできた、あん・まくどなるど上智大大学院教授が講演し「海女は海の環境変化や課題を体で感じ、科学者以上のデータを持っている。各地の海女のデータをまとめて気候変動の対応や環境保全の政策に生かしたい」と語った。
まくどなるど教授をコーディネーターに、11地区の代表によるパネル討論も行われ、サミットを提案し今年9月に死去した「海の博物館」(三重県鳥羽市)館長、石原義剛(よしかた)さんをしのんだ。