薬草を活用した里山観光の拠点として運営されている福井県高浜町の施設「青葉山ハーバルビレッジ」(同町中山)に、約40種類の展示用の薬用酒が導入された。同施設の指定管理者「青葉山麓研究所」が専門家に製作を依頼した。身近な薬用酒を通して、来場者に薬草への理解を深めてもらう。4日には出来上がった薬用酒を使い同施設で講座が開かれた。
青葉山は約500種類の薬用植物が自生するなど薬草の宝庫として知られる。同研究所は青葉山の豊富な自然を地域おこしに生かそうと、薬草栽培などを展開している。
展示している薬用酒は、東京生薬協会の栽培指導委員長で信州大特任教授の小谷宗司さんに製作を依頼した。高さ30センチほどの円柱形のガラス瓶の中に、ホワイトリカーに漬けられた薬草が入っている。約40種類が1種類ずつ1本の瓶に漬けられており計約50本ある。
ジオウ、イカリソウ、オタネニンジンなどの薬草があり、種類によってはきれいなピンク色に染まったものある。展示品を味わうことはできないが、従来の薬草の展示物に比べ、薬用酒は薬草ごとの色合いを見比べることができる。
4日の講座は町の主催で初めて開いた。同研究所メンバーや町民ら約10人が参加。小谷さんから薬用酒の作り方や保存方法、効果などを学んだ。
小谷さんは出来上がった約40種類の薬用酒を示しながら指導。薬草をホワイトリカーに漬け込む方法や、保存期間、薬草の効果などを話した。