飯田市の名勝・天竜峡で工事が進む三遠南信道「天龍峡大橋」(仮称、長さ280メートル)の一帯で、紅葉が見頃を迎えている。橋は景観を損ねないようにと、車道を下から支えるアーチの部分を直線的にしたのが特徴。2019年度の利用開始を予定する。外観は完成に近づいており、紅葉した木々に覆われた渓谷がこれまでとは違った景色を見せている。
半円形に比べて目立ちにくいという直線的なアーチを採用し、色も景観になじむように、鈍い黄緑色の「山鳩(やまばと)色」で塗装している。国土交通省飯田国道事務所(飯田市)によると、現在は車道の側壁を造る工事をしており、今後舗装などの仕上げに入る。
飯田市下瀬の高台にある木下農園からは、橋や渓谷の紅葉が一望できる。快晴の8日は、橋の向こうの南アルプスや天竜川を行き交う川下り舟も見えた。経営者の木下卓男さん(78)は「橋の形がだいぶ見えるようになってきて、いい景色だ」。天龍峡観光案内所によると、一帯の紅葉はあと数日でさらに深まり、今月中旬ごろまで楽しめそうという。