南砺市上平地域の世界文化遺産・菅沼合掌造り集落で10日、消火訓練が行われ、紅葉の山並みを背に水のアーチが描かれた。
市消防団上平方面団員や南砺消防署五箇山出張所署員、住民ら約60人が参加。五箇山民俗館からの出火を想定し、初期消火に当たる住民と消防団員が分担して24基の放水銃を作動させた。消防団や同出張所の車両も駆け付け、次々と放水した。水のアーチから飛散する細やかな水滴による霧状の幕が、延焼を防ぐ役目を果たすという。
団員のサポートを受けて放水を体験する児童もいて、貴重な文化遺産を守る大切さを感じ取っていた。終了後、中谷真人方面団長が「緊張感を持って、世界の宝を守っていきたい」と訓示した。
同集落では、各世帯に屋内消火栓が設置されているほか、全世帯の消火器を一括管理して非常時に備えている。