射水市出身のテノール歌手、澤武紀行さんの「巡礼コンサート」が、14日午後6時半から氷見市小境の大栄寺(吉田寛彰住職)で開かれる。寺の御詠歌隊と澤武さんのコラボレーションなどを企画。地域の癒やしの場であるお寺の魅力を発信しようと、出演者は練習に励んでいる。
巡礼コンサートは「歌うことは祈ることに通じる」という澤武さんの長年の思いから、9月に始まったシリーズ演奏会。宗派を問わず県内の寺院を会場に開いている。
大栄寺は浄土宗の寺院。宗祖法然の教えを旋律に乗せて唱える御詠歌隊「吉水講大栄寺支部」には、地元の檀信徒の女性たちが長年携わっており、今回はうち16人が出演。鈴(れい)と鉦(しょう)という法具を手にしながら唱え、途中から澤武さんが加わって音楽と宗教の融合した新たな世界をつくる。
吉田智快副住職(29)は「お寺の新しい意義を考える機会になる。御詠歌にスポットが当たることもうれしい」と話す。11日夜に澤武さんが同寺を訪れて本番さながらに練習し、発声の強弱や位置取りなどを入念に確認した。
コンサートでは御詠歌のほか、読経とのコラボや唱歌、オペラのアリア、箏曲の演奏もある。澤武さんは「ジャンルを超えた共演になる。多くの人がお寺に足を運ぶきっかけになればうれしい」と話している。入場料2500円。問い合わせは大栄寺、電話0766(78)1304。