飯田下伊那地域でナンテンの実が真っ赤に色づき、間もなく収穫期を迎える。正月飾りに使われる縁起物で、同地域は全国有数の産地。下伊那郡豊丘村河野の栽培農家、武田佳代志(かよし)さん(82)は14日、太陽の光をいっぱいに浴びた実で赤く染まった畑に出て、色づきを見て回った。
武田さんの夫の両親が50年以上前、家の周りにナンテンを植えたのが始まりといい、斜面が多い土地柄の飯田下伊那地域で、手間がかからないこともあって徐々に栽培が広がっていった。
みなみ信州農協(本所・飯田市)は28日ごろに集荷を始める予定。今季の出荷量は、房のみの「房ナンテン」が約20トン、枝を根元から切り取った「枝ナンテン」は約2万4千本を見込んでいる。
武田さんは「ナンテンは『難を転じて福となす』という縁起物。いい1年を迎えてほしい」と話していた。