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県産ベニズワイ 台湾へ初の定期輸出

北國新聞(2018年11月18日)

 金沢市中央卸売市場のウロコ水産は今月、県内で水揚げされた「ベニズワイガニ」を台湾に初めて輸出した。富裕層の間で日本の食材がブームになっている台湾のスーパーマーケットに、今後も月2回の頻度で輸出し、現地の食通に日本海の味覚を売り込む。県漁協によると、ベニズワイガニの定期的な輸出は県内では初めてとみられ、販路を確立して県産ブランドの向上につなげる。
 ベニズワイガニは県内では金沢のほか、志賀町などで水揚げされる。漁期が決まっているズワイガニと違い、ほぼ年間通じて水揚げされる特徴があり、昨年は約千トンが捕れた。
 ウロコ水産のベニズワイガニは今月9~11日、台湾・台中市などに富裕層向けのスーパー3店舗を展開する「裕毛屋(ゆうもうや)」で開かれた物産展に並べられた。用意した35杯は通常価格より高く販売されたが、全て売り切れ、中には15杯を一気に購入した客もいたという。
 台湾への生鮮品の出荷は、市中央卸売市場の丸果石川中央青果やJA金沢市が2年前から取り組んでおり、ウロコ水産は丸果石川中央青果などから出展の紹介を受けた。台湾では安全性の高い日本の食材に対する関心は高く、県産オリジナルリンゴ「秋星」や五郎島金時、魚の加工品などが人気となっているという。
 ウロコ水産は、これまでもカニ類の輸出を検討してきたが、船便は時間が掛かり、加えて入国時の検査で時間を要するため、カニが死んでしまう恐れがあり、実現しなかった。今回は空輸で輸送時間を短縮して輸出にこぎつけた。
 22日、来月3~5日に次の輸出を検討しており、担当者は「カニを含めた生鮮食品の味の良さを伝えていきたい」と話した。

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