運行直前にトロリーバスのタイヤを確認する運転士

運行直前にトロリーバスのタイヤを確認する運転士

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無事故の伝統、最後の日まで 立山黒部のトロバス

信濃毎日新聞(2018年11月20日)

 大町市と富山県立山町を結ぶ「立山黒部アルペンルート」を走る関電トンネルトロリーバスの今月末の運行終了まで10日余りとなった。1964(昭和39)年8月から半世紀以上、無事故で営業。来季から電気バスに交代するが、運行する関西電力黒四管理事務所(大町市)の社員は、安全運行の伝統を受け継ぐつもりだ。

 トロリーバスは架線から集電し、モーターが動力源。全長6・1キロのうち5・4キロは、黒部ダム建設時に資材などの運搬に使ったトンネルを通る。乗車人員は累計6千万人超。年間だと1991年の169万8千人余がピークで、東日本大震災などで落ち込んだが、今年は2015年以来の100万人を達成した。

 一日の運行は運転士の車両点検から始まる。14日もタイヤのナットの緩みやライトが正常に点灯するかなどを確認。義務付けられた呼気検査もする。支えるのは始発の扇沢駅(大町市)の指令所。トロリーバスや、資材を搬入する車両の動きを管理し、時間ごとの運行本数を決めている。

 安全運行のためには、4日に一度の簡易的車両検査や、車体を分解して大規模に調べる3年に一度の検査などが欠かせない。検査を担う小池勝彦さん(55)は「先輩を見習い、私たちも『5年、10年を積み重ねよう』とここまできた。この伝統を後輩に受け継ぎたい」。運輸長の一柳勉さん(53)は「電気バスに代わっても安全にもてなす気持ちは変わらない。トロリーバスの無事故を貫き、来季からは電気バスの魅力を伝えたい」と話した。

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