イワナをくわえ、柱から抜け出そうとしているように見える木彫ネコ=南砺市井波

イワナをくわえ、柱から抜け出そうとしているように見える木彫ネコ=南砺市井波

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名物木彫ネコ増えたニャン 井波・瑞泉寺門前

北日本新聞(2018年11月22日)

 南砺市井波地域中心部の井波別院瑞泉寺に通じる八日町通り沿いの商店や工房に、木彫のネコが増設され、合計で"26匹"となった。地元彫刻師らの手によって一昨年から作られ、これで全てが完成。木彫の町にふさわしい名物として、散策客の呼び込みに一役買う。

 設置されたのは、井波別院瑞泉寺の門前にある八日町と六日町のエリア。石畳の通り沿いに格子戸付きの木造家屋や商店が並び、彫刻工房から響くのみ音が風情を引き立てる。観光客らの散策スポットとして人気が高い。

 木彫の町らしい雰囲気をさらに高めるため、地元の瑞泉寺前商盛会(清都英雄会長)が、木彫ネコの設置を発案。瑞泉寺前彫刻部会(前川正治部会長)の協力を得て、昨年秋までに13点を設置し、さらに13点を増やした。

 新たなネコは軒下や屋内に設置した。イワナをくわえ、柱の穴から抜け出そうとしているように見える姿や、獲物を狙う様子など多彩。長さは主に30センチ前後の等身大で、生命感が漂う。日光東照宮の「眠り猫」を題材としたレリーフもある。これらを探し歩く楽しみが味わえる。

 前川部会長は「女性や子どもを含む大勢の人に井波彫刻が親しまれるきっかけになればいい」と願いを込める。

 八日町通りは、文化庁認定の日本遺産「木彫刻美術館・井波」の構成文化財の一つにもなり、その価値に改めてスポットが当たる。彫刻師でもある野村光雄商盛会副会長は木彫ネコによる魅力アップで「観光客の滞在時間延長につなげたい」と狙いを込める。来春、ウオークイベントを企画する。

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