幕末の思想家、兵学者で旧松代藩士の佐久間象山をまつる長野市松代町の象山神社に、象山や松代藩主の真田幸貫(ゆきつら)らの銅像が完成し、25日に現地で除幕式があった。市出身でAOKIホールディングス会長の青木拡憲(ひろのり)さん(80)、弟で副会長の宝久(たかひさ)さん(72)が象山に感銘を受けたことから、AOKIグループが創業60周年記念事業として奉納した。
右手に地球儀を携えた象山と、象山の才能を見いだした幸貫の立像の脇に、象山が江戸で開いた塾で学んだ吉田松陰、勝海舟、坂本龍馬ら5人の胸像を置いた。蟄居(ちっきょ)中の象山を訪ねたとされる高杉晋作ら3人の顔のレリーフもある。
除幕式には青木さんら同グループ関係者や、銅像になった人物の子孫らが参加。綱を引き、白い布で覆われていた像が姿を現すと市民ら300人余の出席者が拍手した。
近くのホテルで開いた式典で青木さんは、長野市での創業直後に外商で立ち寄った象山神社で象山の功績を知り「第2、第3の象山の輩出を応援したいと誓った」と説明。青木さんが2008年に始めた人材育成事業「ながの視察団平成の咸臨丸(かんりんまる)」などにつながっていると話した。神社の滝沢基宮司は「(銅像から)若者たちが大きなパワーをもらい、健やかに育っていくことを願ってやまない」とあいさつした。