著名な刀匠・吉原義人さん(東京)の道場に弟子入りし、腕を磨いた魚津市友道の高田欣和(よしかず)さん(44)=刀工銘・義景(よしかげ)=が、富山市横内を拠点に、日本刀制作を始めている。制作拠点を自由に見学できる日本刀鍛錬道場にしようと準備を進めており、来月の本格開業を目指す。高田さんは「機能を追求し、自然と美しさのにじみ出る刀を作りたい」と話している。
吉原義人さんは、伊勢神宮の御神刀を作刀し、米国のメトロポリタン美術館やボストン美術館に作品が展示されている第一人者。
高田さんは滑川市出身で、30歳目前で会社員から転身し、義人さんと息子の故義一さんの元で修業した。2012年に文化庁作刀実施研修修了証を取得。17年には日本刀保存協会の現代刀職展で優秀賞を受賞し、同年末にUターンした。
富山市の制作拠点は、かつて作刀に使われていた建物を再利用。見学者を迎えられるよう内装を整えている途中だが、現代刀職展に向けた制作は既に始めている。師匠に倣い、初心者でも日本刀作りに親しめるよう、道場には材料の玉鋼(たまはがね)や制作過程ごとの刀見本をそろえた。
高田さんは「縁あって富山で制作することになった。道場は誰でも自由に来られるようにしたい」と話した。