水揚げされた「ひみ寒ぶり」=氷見魚市場

水揚げされた「ひみ寒ぶり」=氷見魚市場

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「ひみ寒ぶり宣言」出た! 695本出荷

北日本新聞(2018年12月2日)

 富山湾の冬の王者「ひみ寒ぶり」の出荷宣言が1日、氷見市比美町の氷見魚市場で行われた。初日は695本がブランド魚の認定を受けて出荷され、漁業関係者は本格的なシーズン到来を喜んだ。

 早朝から漁港に続々とブリが入り、漁業者や漁協、仲買人の代表でつくる判定委員会が「ひみ寒ぶり」の出荷開始を宣言し、市場にのぼり旗が立てられた。競り人の威勢の良い声が響く中、丸々と太ったブリが次々と競り落とされ、規定の青い魚箱に入れられて県内外へ出荷された。

 ひみ寒ぶりは2011年に商標登録され、氷見漁協や氷見魚仲買商業協同組合でつくる「氷見魚ブランド対策協議会」が管理体制を定めている。本年度は体重基準を1キロ引き下げ、6キロ以上とした。開始宣言は本数や大きさ、今後の見込みなどを総合的に判断して行っており、今回は前年度より1日早かった。ひみ寒ぶりの出荷は例年、1月下旬~2月まで行われる。

■大物ずらり、氷見のまち熱気
 漁業のまちに待望の冬の使者がやって来た。氷見魚市場で「ひみ寒ぶり」の出荷開始宣言が出た1日、氷見市内の鮮魚店には早速、ブランド認定を受けたばかりの大物が並んだ。この日は市内の民宿・飲食35店でフェアもスタート。前年度は不漁に終わっただけに、関係者から「今季こそは」と期待の声が相次いだ。

 ひみ番屋街(氷見市北大町)の鮮魚コーナーには午前から「ひみ寒ぶり」と銘打ったブリが並んだ。三重県四日市市から夫婦でブリを食べに来た日高福夫さん(61)は「ちょうどタイミングが良かった。大きくて立派な魚だね」と驚いた様子で見入った。

 番屋街を運営する氷見まちづくりの尾町和広執行役員事業部長(45)は、直営レストランでブリ料理などの会席の予約が例年以上に好調だといい「宣言はまだかという問い合わせをたくさん頂いていた。寒ぶりは氷見のメインブランド。消費マインドがさらに高まる」と期待した。

 氷見市内では「ひみぶりフェア」が始まり、各店が自慢のブリ料理の提供を始めた。食彩居酒屋「灘や」(同市本町)では、団体客向けの刺し身やぶりしゃぶの調理に追われた。フェア実行委員長を務める同店の杉木克己さん(71)は「同じブリでも宣言が出ると印象が違う。各店で頑張って氷見の味をアピールしたい」と意気込んだ。

 ひみ寒ぶりは前年度、2月3日の出荷終了宣言までの水揚げは、宣言の出なかった2015年度を除き過去最少の8058本にとどまった。県水産研究所は今冬の富山湾の漁獲予報で、7キロ以上となる3歳以上のブリについて平年以上の漁獲量を見込む。

 松原勝久市観光協会長(58)は「今季は宣言前に揚がったブリもイベントなどで評判が良い。豊漁の予想もあるので、このまま水揚げが続いてほしい」と願った。

 ひみ番屋街は、ひみ寒ぶりの漁獲本数とシーズン累計を知らせる「ぶりメーター」を設置。市も3日、市役所1階に漁獲量の掲示板を設ける。

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