釜の湯を素手で豪快にはじく「大天狗」=1日午後9時6分、飯田市南信濃の日月神社

釜の湯を素手で豪快にはじく「大天狗」=1日午後9時6分、飯田市南信濃の日月神社

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熱気 沸騰「遠山の霜月祭り」

信濃毎日新聞(2018年12月2日)

 飯田市遠山郷(上村・南信濃)に伝わる「遠山の霜月祭り」(国重要無形民俗文化財)が1日始まった。太陽の力が弱まる旧暦の11月(霜月)に八百万(やおよろず)の神々を招き生命の再生を願う祭りで、遠山郷各地区の9神社で15日まで行われる。

 南信濃八日市場の日月神社では日が暮れて徐々に祭りが盛り上がっていった。地元有志らでつくる「霜月祭り野郎(やろう)会」の会員や氏子たちが湯釜を囲み、湯気や煙が立ち込める中、囃子(はやし)を奏で掛け声を発しながら舞を披露した。

 午後9時ごろ「大天狗(てんぐ)」の面(おもて)を着けた禰宜(ねぎ)が登場し、祭りは最高潮に。大天狗が煮え立つ湯の中に二度、三度と手を入れて豪快にはじく「湯切り」を行うと、社殿内が興奮に包まれた。

 多くの伝統文化と同様、霜月祭りも後継者不足の課題があり、日月神社では担い手が減る中で女性も活躍している。八日市場地区出身の秋波(あきば)美穂子さん(70)=飯田市南信濃=は10年ほど前から舞の音頭を取る和太鼓をたたいており、「母のおなかにいる時から参加している祭り。絶対になくしたくない」と話した。

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