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建設費は65億と45億 県の立山黒部ロープウエー2案

北日本新聞(2018年12月3日)

 県の「立山黒部」世界ブランド化推進会議が2日、県民会館であり、立山黒部アルペンルートで検討しているロープウエー建設費2案の大まかな試算が示された。「称名滝-大観台」ルートは最大で65億円、「立山駅-美女平」ルートは45億円で、それぞれさらに駅舎の整備費などが必要になる。両案とも既存の立山ケーブルカーより輸送力が倍増し、観光客の利便性が向上することから、ケーブルカーを運営する立山黒部貫光は建設に前向きな姿勢を示した。

 ロープウエー建設は、営業開始から60年以上が経過するケーブルカーに代わる新たなアクセスルートを確保するため検討している。

 県の試算では、「称名滝-大観台」はロープウエーの搬器(乗り物)が箱形の場合に55億円、360度の景観を楽しめる回転式の場合は65億円。称名滝、大観台両駅の新設にそれぞれ10億円と25億円、立山駅と称名滝駅間に走らせるバスなどに10~15億円がかかると示した。ケーブルカーと違って称名滝をさまざまな角度から眺められ、誘客効果が高いとした。設置主体や費用負担には触れていない。

 現場は中部山岳国立公園内であることから、環境への影響に配慮し、称名滝駅の位置を従来の案で示していた特別保護地区の滝近くから、開発規制の緩い第3種特別地域の称名平駐車場に移動させた。

 「立山駅-美女平」は、現在のケーブルカーに沿うようなルートで造る想定。駅を新設せず既存の立山、美女平両駅を利用するため、改修費で計12億円と全体的にコストを抑えられる。一方、称名滝を眺めることができず、景観面に課題があるという。試算も箱形のみで行った。

 両ルートの輸送力とも片道で1時間当たり1400人で、現状の720人から倍増する。ケーブルカーを更新した場合はレールや車両の交換に約65億円を要することも示され、立山黒部貫光の佐伯博社長は「バリアフリーにも対応できる。ケーブルカーよりもロープウエーが輸送力にとって一番いい」と述べた。石井隆一知事は今後、環境に関する調査を進め、実現性を慎重に検討する意向を示した。

 会議は立山黒部エリアの魅力向上を目指し、28のプロジェクトを協議している。会議で知事は、プロジェクトの一つである関西電力黒部ルートの一般開放が実現することになったと報告。委員からは、今後は関係団体が積極的にPRに努めていくことが重要との声が上がった。

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