石川県内の重鎮から気鋭の作家が善意の逸品を寄せる第58回歳末美術展(一般財団法人石川県美術文化協会、北國新聞社主催)は7日、金沢市の香林坊大和8階ホールで始まった。日本画、洋画、彫刻、工芸、書、写真の6部門の279点が並び、好みの作品との出合いを求める来場者が熱心に品定めした。
年末恒例のチャリティー展でツバキやザクロ、雪景色、動物などを描いた絵画の小品や茶道具などが出展された。作品は入札方式で販売し、収益金の一部を社会福祉事業に役立てる。
文化勲章受章者の大樋陶(とう)冶斎(やさい)さんは大樋陶絵「幸福」など2点を出品したほか、花瓶や漆盆など人間国宝らの秀作が並び、愛好者の目を引いた。工芸家による書の色紙や、来年のえと「亥」にちなんだ愛らしい絵を添えた書、洋画家の描いた水彩画など、展覧会では見られない作家の横顔をのぞかせた作品もあり、来場者がお気に入りの品に入札した。入札は会期末の13日午後6時まで受け付ける。