福井県永平寺町内の女性でつくる企業組合若鮎グループ加工部(同町吉波)は地元産アズキを材料にした新商品の和スイーツ「あずきでっち」を開発、12月から販売を始めた。春~秋に販売している特産「木葉(こっぱ)ずし」に並ぶ冬場の主力商品に育てたいと意気込んでいる。
グループは旧永平寺町北地区の農家主婦ら10人で組織。地区に伝わる木葉ずしを約20年前に商品化し、主力商品となっている。
ただ木葉ずしは材料のアブラギリの葉が初夏から晩秋までしか採取できず、冬の販売はできない。今回、冬のメイン商品を作ろうと、地元産のアズキやもち米を使った和スイーツの開発に取り組んできた。
長時間炊き上げたアズキをふんだんに使い、くるみ、もち米を混ぜて練り上げ、自然な甘さに仕上げた。表面にまぶした大麦粉(おちらし粉)の香ばしさと、アズキの控えめな甘みが絶妙にマッチしている。特に苦心したのがもっちりした歯ごたえ。何度も試行錯誤を繰り返し、仕上げたという。
代表理事の川崎やゑ子さんは「材料はシンプルに、お母さんの手作りおやつのような優しい味わいにこだわった」と開発を振り返る。手作りのため1日当たり50個ほどしか製造できない。今季は春までに500個の販売を目指す。
80グラム入りカップで350円(町内の道の駅禅の里は380円)。道の駅のほか、JA永平寺農産物直売所の四季食彩館れんげの里(坂井市丸岡町新鳴鹿3丁目)とエルパ(福井市大和田2丁目)で毎週木~日曜日に販売している。