無数の和紙人形で再現された江戸時代の歌舞伎小屋=福井県越前市の卯立の工芸館

無数の和紙人形で再現された江戸時代の歌舞伎小屋=福井県越前市の卯立の工芸館

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紙漉き本場で和紙人形展 福井県越前市、全国19作家

福井新聞(2018年12月16日)

 全国の和紙人形作家でつくる全日本紙人形協会の作品展が12月23日まで、福井県越前市の卯立の工芸館で開かれている。人形が身にまとう色鮮やかな着物は和紙特有の温かみや質感を生かし、なめらかな本物の布のように見える。江戸中期の紙漉き工房を移築復元した木造の会場に無数の和紙人形が並び、数百年前にタイムスリップしたような空間が広がっている。

 同協会が1500年の歴史を誇る紙漉きの本場で展示をしたいと、協会所属の作家19人の力作を披露している。

 福井県にちなんだ作品も多い。岩城竹男さん(埼玉)は、福井県越前市の岡太神社・大瀧神社に祭られている和紙の神様「川上御前」を制作。矢口千代子さん(東京)は、大きな越前がにを囲む家族の食卓を和紙人形で表現した。人形を使って和紙作りの工程を示す作品も複数あり、人形の素材を提供している和紙産地に対する作家たちの敬意が伝わってくる。

 圧巻は栗山祥子さん(兵庫)を中心に、同協会のメンバーで制作した江戸時代の歌舞伎小屋。縦3メートル、横1・7メートルのジオラマに精密な歌舞伎小屋が再現され、舞台の役者、升席を埋める観客、通りを行き交う町人や町娘など、200体を超える人形から江戸時代の活気が伝わってくる。

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