白山市鳥越地区で100年以上受け継がれている伝統の餅つき「おいがち」が29日、白山市上野町の南清一さん(87)方で行われた。4人が四方から息を合わせて餅をつく珍しい風習で、集まった家族や親戚ら約20人がタイミングよく杵(きね)を振るった。
手返しを入れずに4人が次々に餅をつくのが特徴で、短時間で滑らかな餅が仕上がるという。かつては地区内の多くの家庭で行われていたが、現在は数軒しか行っていない。
南さん方では、もち米約70キロを用意し、参加者は雑煮用の丸餅にしたり、つきたてに大根おろしや小豆をまぶして味わったりした。南さんは「おいがちが終わらないと正月が来ない。新年も家族全員が良い1年になってほしい」と話した。