共同開発した信州産リンゴ入りのあめを持つ(左から)伊藤さん、太田さん、田中さん

共同開発した信州産リンゴ入りのあめを持つ(左から)伊藤さん、太田さん、田中さん

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松本のあめ、リンゴとマッチング 老舗3店が共同開発

信濃毎日新聞(2019年1月4日)

 松本市の老舗あめ店3店が、もち米などを原料とする伝統の「米あめ」に信州産リンゴを加えた菓子を初めて共同開発した。市内の中心市街地で12、13日に開く伝統行事「松本あめ市」に合わせて販売を始める。松本であめの生産が盛んだった歴史を知る人が減る中、松本のあめ文化を発信する。

 3店はいずれも江戸時代創業の山屋御飴所(おんあめどころ)、新橋屋飴店、飯田屋製菓。松本のあめをPRするプロジェクトを昨年6月に始めた。同9月に期間限定で各店の商品を互いに扱い、同12月には既存の商品を一つの箱に詰めた「松本飴箱」を発売した。

 今回は、各店舗独自の製法で作る米あめと落花生入りの板状のあめに、フリーズドライの信州産リンゴを砕いて加えた。クルミやイチジクなども検討したが、プロジェクト代表を務める山屋御飴所の太田喜久代表(57)は「長野県といえばリンゴ。酸味と甘みのマッチングが良かった」と話す。

 風味を出すためにリンゴの量を調整したり、熱でリンゴの色が黒くなり過ぎないようにあめに投入するタイミングを計ったりして試作を重ねた。太田さんは「これまでのファンの方にも新しい風味を楽しんでもらえる。各店で味が少しずつ違うので食べ比べてほしい」と期待する。

 太田さんによると、松本地域の乾燥した気候はあめ作りに適しており、明治時代は全国有数の生産量を誇っていた。近年は観光客だけでなく地元でもこうした歴史を知らない人も多く、ライバル店同士が協力することになった。

 飯田屋製菓の専務伊藤雅之さん(45)は「新たな客層を開拓したい。リンゴ入りのあめを通じ、伝統的なあめにも目を向けてほしい」。新橋屋飴店の社長田中聡さん(55)は「3人集まれば知恵が3倍になる」と話している。

 価格は1袋550〜756円(税込み)。12、13日は各店舗と信毎メディアガーデン屋外広場「スクエア」(飯田屋の商品を除く)で買える。あめ市以降の継続販売も検討している。

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