日本遺産「北前船寄港地・船主集落」の輪島市門前町黒島町で9日、「船方(ふなかた)祭(まつり)」が始まった。元船員らでつくる黒島海員団の約30人が地元に伝わる天領太鼓を打ち鳴らし、海上安全を祈願した。
9日は宵祭りで、団員は若宮八幡神社でおはらいを受け、近くの「殉職海員之碑」前で太鼓を打った後、国の重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)に選定されている集落を回った。北前船の回船問屋だった旧角(かど)海(み)家住宅(国重要文化財)や団員の家を訪れ、力強くばちを振るった。10日は本祭りが行われる。
船方祭は江戸時代から続き、海員団によると今回で199回を数える。林賢一団長(70)は「団員が高齢化し、年々大変だが、何とか続けていきたい」と話した。