火花を散らしながら鉄を鍛える松田さん=津幡町浅田

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「古刀」目指し打ち初め 石川・津幡の刀工、松田さん

北國新聞(2019年1月10日)

 石川県内で唯一、日本刀作りを続ける刀工松田恒治さん(55)は9日、津幡町浅田の鍛刀場(たんとうじょう)で打ち初めを行い、新年の制作をスタートさせた。刀工として目標とする室町時代以前の「古刀」の再現に向け、舞い散る火花を物ともせずに1500度近くまで熱した鉄を打った。
 松田さんは鍛冶(かじ)用の炉「火床(ほど)」に松炭をくべて鉄を焼き、鉄の不純物を取り除く製鉄作業「折り返し鍛錬」に汗を流した。真っ赤になった鉄を手槌(てづち)などで力強く打ち伸ばしては折り曲げて、鉄の強度を高めた。
 毎年10振りほどの日本刀制作を続けている。昨年からは古刀に少しでも近づけるよう赤く焼いて刃文(はもん)をつける「焼き入れ」の温度を下げることを試み、今年もさらに製法を工夫していく。
 ここ5年ほどは納得のいく作品ができず、展覧会にも出していないという松田さんは「今年こそは自信を持って出品できる一振りを打ちたい」と意欲を語った。

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