醸造所に併設した飲食店ラティスワーク・ブリューイング・タップハウスの大島さん(手前)

醸造所に併設した飲食店ラティスワーク・ブリューイング・タップハウスの大島さん(手前)

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鋳物の町に新たな魅力 高岡・金屋町、空き家活用し飲食店

北日本新聞(2019年1月19日)

 高岡鋳物発祥の地、高岡市金屋町に飲食店2軒が相次いでオープンした。いずれも千本格子「さまのこ」を備えた町家を利用し、景観に調和した店構えになっている。国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に選定され、市を代表する観光地として知られながらも飲食店が少なかった金屋町で、団体の観光客に対応できる店舗ができたことから、町の魅力向上に期待が高まっている。

 オープンした2店は、クラフトビールのブルワリー(醸造所)を併設した飲食店「ラティスワーク・ブリューイング・タップハウス」と日本料理店「旬菜和輝(わこう)」。いずれも重伝建地区の石畳の通りに面し、空き家を利用して今月開店した。

 ラティスワークは、併設の醸造所で造るフルーティーな香りが特徴の「金屋エール」などのビールとフードを提供。代表の大島紀明(としあき)さん(40)は「雰囲気の良い金屋町でビールを楽しんでもらいたい」と語る。

 和輝は得能智子さん(67)と次女の藍子さん(37)が共同で経営し、地物の魚や野菜などを使った和食を提供する。観光客が食事のために金屋町を離れなくてもいいよう、団体客にも対応できる43席を用意。得能さんは「鋳物体験などたっぷり観光して、長く町に滞在してほしい」と話す。

 開業は、金屋町の定住促進に取り組むNPO法人金屋町元気プロジェクトが後押しした。現在約190世帯が暮らす金屋町には、空き家が約30軒あり、そのうち10軒は管理者がいない状態になっているという。空き家の増加は景観を損ねるだけでなく、防災や防犯上の問題を深刻化させ、地域の活力低下を招く。

 同プロジェクトの加藤昌弘理事長(67)は2店の開業が、空き家の生む諸問題の解消とともに、観光地としての地域活性化にも一役買っていると話す。昨年5月には、空き家を活用した移住体験施設「さまのこハウス」がオープンしたこともあり、金屋町の魅力を伝えたいと意気込む。

 ラティスワークは、午前11時~午後2時、午後5時~同9時で、月、木曜定休。電話0766(75)9089。和輝は、午前11時半~午後2時(ランチ)午後2時~同4時(ティー)午後5時半~同9時半(ディナー)で、当面無休。電話0766(75)0780。

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