木箱のふたの裏に描かれた菩薩図

木箱のふたの裏に描かれた菩薩図

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志功 疎開時代の作品、南砺市に寄贈 孫の石井さん

北日本新聞(2019年1月25日)

 南砺市ゆかりの世界的板画(はんが)家、棟方志功の孫で棟方研究家の石井頼子さん(62)=東京都杉並区=は、棟方が福光疎開時代に描いた作品を市に寄贈した。市役所福野庁舎で24日、感謝状を受け取った。作品は福光美術館の常設展示室で3月11日まで鑑賞できる。

 寄贈したのは、茶道具を置く棚物「行台子(ぎょうだいす)」をしまう箱のふたの裏に描かれていた縦81センチ、横44センチの菩薩(ぼさつ)図。1950年9月5日制作とされ、福光地域に疎開していた棟方が47歳の誕生日に描いたものとみられる。東京の棟方家の蔵を整理していた際に見つかり、石井さんが保管していた。

 石井さんが市に棟方の作品を寄贈したのは初めて。木箱のふたの裏に描かれた菩薩図は、長い年月を経ても墨と絵の具の鮮やかさが保たれている。石井さんは、棟方が福光の旧居「鯉雨画斎(りうがさい)」で、同じような材質の板戸に描いた絵の退色が進んでいることに触れ、「もともとはこんなに鮮やかな色彩だったことを想像してもらえると思う」と話した。田中幹夫市長は「棟方からは本当に大きな財産をいただいている」と述べ、市内全小学校が福光美術館を訪れる機会を設け、児童に作品を鑑賞してもらう方針を説明した。

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