動画を作った原さん(右)と林さん。中央のモニターに映っているのが完成した動画

動画を作った原さん(右)と林さん。中央のモニターに映っているのが完成した動画

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目の前に迫る絶景 天竜川の舟下り、VRで疑似体験

信濃毎日新聞(2019年1月26日)

 飯田市松尾明の専門学校「飯田コアカレッジ」の学生2人が、天竜川の舟下りを仮想現実(VR)で疑似体験できる動画を制作した。「飯田の魅力を県外、海外に発信したい」と撮影から編集まで一貫して手掛けた力作で、昨年末に無料動画サイト「ユーチューブ」に投稿。同市の名勝・天竜峡の絶景が目の前に迫り、実際に舟に乗ったような臨場感を味わえる。

 2人はITスペシャリスト学科2年の原僚汰(りょうた)さん(20)=飯田市山本、ITビジネス学科2年の林あみさん(26)=同市松尾明。卒業研究として昨年10月から取り組み、VR動画制作に詳しい同校教員の高橋伸幸さん(53)の指導で完成させた。

 制作には、天竜川で川下り舟を運航する「天龍ライン遊舟」が協力。4個のレンズで全方位を同時に撮影できる高画質カメラを舟に載せ、飯田市の天竜峡温泉港から泰阜村の唐笠港までの約7キロを撮影した。

 2人は、船頭が投網で魚を捕まえたり、絶景ポイントを通過したりする名場面を選び、計約20分に編集。全方位を視聴するには、4個のレンズが写した映像データを専用ソフトでつなぎ合わせる加工が必要で、作業に延べ約100時間をかけた。

 動画は、同社ホームページのバナーから移動するなどして誰でも視聴でき、VR視聴用のゴーグルを着ければ、頭の動きに合わせて視界が変わる映像が楽しめる。天竜峡一帯18カ所を、動画より高画質のカメラで撮影した全方位の静止画も公開している。

 林さんは「道路の舗装の凸凹が分かるぐらい画質が良い」とPR。原さんは「映像データのつなぎ目が、どこにも見えないようにするのに苦労した」と話していた。

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