カナディアン・ファームの野外広場に登場した直径4・1メートル、重さ21トンのオブジェ

カナディアン・ファームの野外広場に登場した直径4・1メートル、重さ21トンのオブジェ

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巨大球体アート、原村で余生 各地巡回後、村内レストランに

信濃毎日新聞(2019年1月26日)

 原村のレストラン「カナディアン・ファーム」の野外広場に、直径が4・1メートルもある巨大な球体のオブジェが設置され、存在感を放っている。鉄の枠組みを土で覆った作品で、重さ21トン。制作した三重県伊賀市の造形作家、大平和正さん(75)が展示場所を探していたところ、知り合った同店オーナーの長谷川豊さん(65)が引き受けた。人目に触れるのは約3年半ぶりといい、5月には他の球体作品も集めて個展を開く計画だ。

 大平さんは武蔵野美術大彫刻学科卒。土を主な素材に使い、風化して再び自然に返るまでを一つの芸術と捉える独自の理念「風還元(かぜかんげん)」に基づいて、球体作品を中心に制作している。

 カナディアン・ファームに今回設置したのは、2013年6月に完成した作品。新潟県十日町市の山中や京都府京丹後市の砂浜、東京都中野区の公園で巡回展示した後、15年11月に京丹後市に寄贈した。だが、なかなか展示場所が決まらず、分割した状態で屋外に置かれていたという。

 そこで、大平さんは新たな展示場所探しを開始。昨年8月にカナディアン・ファームで開かれた工芸品の販売会に参加した際、「森の雰囲気が球体作品の終着点にふさわしい」と感じて長谷川さんに設置を依頼した。長谷川さんも創作活動が趣味で「芸術に懸ける地道で大胆なエネルギーに感動した」と承諾。大平さんは京丹後市から作品を返してもらい、昨年12月に同店の野外広場に運び込んだ。

 作品は樹木が茂る野外広場にどっしりと据えられ、触れることもできる。5月に開く個展では、この作品を中心に大小さまざまな球体作品を並べる構想で、大平さんは「抱きついたり触れたりして親しんでほしい」と話している。

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