江戸時代から続く福井県勝山市の冬の風物詩「勝山年の市」が1月27日、市中心部の本町通りで開かれた。雪が舞う中、手作りの木工品や伝承料理など50店が軒を連ね、大勢の買い物客でにぎわった。
約350メートルの通り沿いにまな板、こね鉢を含む木工品、かき餅、鯖の熟(な)れ鮨(ず)しといった伝統食などがずらりと並んだ。「いらっしゃい」「おいしいよ」と寒さを吹き飛ばす呼び込みの声が飛ぶ中、次第に雪もやみ、家族連れや観光客らがじっくり品定めした。
オークション形式で商品を購入する「まちセリ」もあり、通りは活気づいた。「むらの達人」コーナーでは、ござ帽子や竹細工などが並び、熟練の技を披露。荒土小児童は作った米などを売り、郷土のアピールに一役買った。
えちぜん鉄道のツアーで訪れた福井市の女性(67)は「いろんなお店が並んでいて楽しい。お目当ては、かき餅。懐かしい味なので」と早速買い求めていた。
年の市は18世紀半ば、農家や山仕事の人らが副業で作った縁起物や生活用品を売り出したのが始まり。現在は1月の最終日曜に開かれている。